古い地図を見るとわかることがある。熊本で聞いた2か所の処刑場の話がある。
1つは、現在は大きな病院の敷地となっている。
江戸時代にさかのぼるが、元は処刑場と火葬場だった。特に火葬は明治以降になるため、土葬されたとも言われている。
その病棟で飛び降り自殺をする患者が多いことから噂が立つようになった。
「あそこは病院作るしかできん場所だったたい」
長老が答えた。とても住宅街などにはできない霊場のようだ。
もう1つ、他にも処刑場があった。妙に低い位置にある土地だ。
その場所を通る時、拝むお年寄りが多い。聞くと、
「ここは昔と殺場(処刑場)ですもんね。拝んでいかんと危なかですよ」
その近くに家を買った人がいた。娘と夫がいたが、夫が家で暴れるようになった。そして妻の給料を取り上げると失踪し、離婚直前の7年ごとに家に戻り、また暴れる。妻の首に縄を付けて家の周りを歩いたりと、とんでもない行動に出て、狂ったようだった。妻は首つり自殺で発見されたが、周りの人はその夫の仕業だと噂した。夫は家財一切売り、再婚相手の元へ行った。
だがこの男も借金取りに追われ、生死もわからず行方不明となったようだ。
その地域のお年寄りが拝む場所、特に何の碑もない場所を拝む時は何かがあると思った方がよい。