大井手川を歩く女学生(熊本市中央区新屋敷) | コワイハナシ47

大井手川を歩く女学生(熊本市中央区新屋敷)

小学生だった道子さんは、小学校まで通うのに通学路ではない道を通っていた。大井手川のほとりの道だ。この辺りは電灯も暗く、夜には痴漢が出るからと注意されていた。古くからの邸宅は塀が高くて、悲鳴を上げても聞こえず、そういう暴行事件が遠い昔から多かった場所だ。

道子さんはまだ日が暮れる前だから大丈夫だろうと、学校の帰りに川辺のホウセンカを摘んで1人でパラシュート遊びをしていたときだった。

大井手川を歩くセーラー服の三つ編みおさげ髪のお姉さんが水の上を歩いていた。歩いていたというより、水の上を動いていた。

「誰、あれ!」

その瞬間、背後に人が立っている感覚が襲った。誰か後ろに立っている……。

ゆっくり自分の肩の後ろの方を見ると、

さっき見たおさげ髪のセーラー服の人が立っていた。

そして、その顔は青ぶくれし、半分腐ったようにただれていた。

「ぎゃあああ!」

振り切るように道子さんは走って逃げた。家に着いても追いかけてきているような感覚が常にあり、帰ってきた祖母にその話をした。

すぐに祖母は近くの霊媒師のところへ連れて行き、道子さんを見てもらった。

「細い手が肩に乗っておる。制服を着た娘が憑りついておる」

慌てて祈祷し霊を払ってもらったという。ずっと肩が重かった道子さんは、そのお払いですっきりと治ったが、もうあの道は通りたくないという。

大正時代、ここで痴漢に追われた女学生が、次の日水死体で見つかった。かなり暴行されていたそうだ。古いことを知る人はその話をよく覚えていて、1人で行くな、痴漢に追われると、話してくれたが今はそれを語る人は少なくなった。

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