上通りにたたずむ防空頭巾の子ども(熊本市中央区) | コワイハナシ47

上通りにたたずむ防空頭巾の子ども(熊本市中央区)

上通りから並木通りまでの間に路地がいくつもある。オシャレなレストランが並ぶことから、週末はこの辺りも賑わう。結婚式の2次会のお店も多い。

友人の結婚式で埼玉から地元熊本に帰省していた内田さんの話だ。

仁王さん通りに向かって歩いていると、大騒ぎする若い子達の奥に、まるっきり現代風じゃない子が路地から出たところの石にしゃがんでいた。

頭には紺色の紬のようなボロボロの防空頭巾を被っていた。

じーっと内田さんの顔を見ている。

内田さんは元々霊感が強いので、その子が生きている子じゃないことはわかった。小声で話した。

「大変だったね。お腹が空いたでしょう。でもここはあなたがいる所じゃないよ」

その子はコクリとうなづくと、その場から消えた。

内田さんはコンビニで塩と水を買って、その場にお供えをした。もうそれ以来そこでは防空頭巾の子どもを見ることはなくなった。

この辺り一帯は、昭和20年7月の熊本大空襲でほとんど焼野原になった。空が真っ黒になるほどの数の爆撃機が焼夷弾や爆弾を落とし、たくさんの命が消えた。家族を探して彷徨う子どもの魂は賑やかな場所を求め、現れることもある。

シェアする

フォローする