阿蘇赤橋は自殺橋(熊本県阿蘇郡南阿蘇村) | コワイハナシ47

阿蘇赤橋は自殺橋(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)

阿蘇大橋は元は赤く塗られていたから赤橋と呼ばれていた。だがある時から地味な色に塗り変えられた。なぜ赤橋は色を塗り替えたのか。

それは自殺者が後を絶たなかったからだ、と言われる。

それでも落ちようとする人間はいた。

運転が趣味の安田さんが深夜のドライブで阿蘇に向かっていた時だった。夜中だと道が空いているし、ドライブに最適。その頃は深夜ともなると赤橋ほとんど車通りがなかった。

橋の手前まで来ると、何やら橋に人がよじ登っている。それも2人。

(飛び降り自殺か……?)

「おい! 何しよる! 待て!」

安田さんは慌てて走り寄り、よじ登る2人の背中の服を引っ張った。

結構力が強い。若い男2人が自殺なんていかん! わめきながら引っ張り降ろす。2人の若者はついに登るのをやめ、仰向けに倒れた。

その時、安田さんの耳元で声が聞こえた。

「チッ」

何本かの白い手みたいなものが、フェンスからすっと消えた。

背筋が凍った。自分もへなへなと腰が抜けるようだったという。

正気を取り戻した2人の若者を連れて、車に乗せた。

「どうしたとか。死のうとするならでけんよ(ダメだよ)」

「覚えてないです。僕ら車旅行でここ初めて来て、眺めてたら急に……そんな気分になったんです、死のうなんて思ってません」

聞くと、2人は東京の学生で、車で九州を縦断していたそうだ。

橋から下を眺めていたら、急に登らなきゃ、飛び降りなきゃという気分になったという。この橋は自殺よけに2メートルくらいの高さのフェンスがあるにも関わらずだ。

この橋はよじ登った後も落ちないように、下に自殺防止のフェンスまで突き出ていた。だが本気で自殺したい人はそこまで降りて、またジャンプして落ちて行く。ここはとんでもない高さの渓谷に作られた橋なので、落ちたら即死しかない。

向かいに廃墟化したレストランもあり、そこにも自殺霊が溜まっているとも聞くが、何か霊が憑りついて「落ちよう」と思ったようだ。

また安田さんが車を停めた所のすぐ近くに「まてまて地蔵」がある。

彼らから見たら、地蔵の化身が来てくれたと後で話しているかもしれない。安田さんは坊主頭でもあったことだし。

あの大地震で阿蘇大橋は崩壊し流されてしまったが、まだまてまて地蔵は残っているそうだ。この地蔵で救われた命も多かっただろう。

シェアする

フォローする