御船町の山間部の九十九折という地区に龍神堂という祠がある。
正式名は妙龍寺である。
そのお堂の隣の家の人が洗濯していたシーツを竿に干したときのことだった。洗ったばかりの白いシーツに何やらシミのようなものがある。
(洗ったばかりなのに、砂埃でもついたか……)
そう思ってよく広げてみると、どうも人の姿のように見える。
周りの人を呼んで見てもらうと、
「戦国時代のお武家さんの姿じゃないか?」
となって大騒ぎになった。お堂でも念のためお祓いをしてもらい、そのままシーツを干していた。
それが話題となり、「熊本市内や県外の人を運んだよ!」とタクシーの運転手が教えてくれた。
ご利益はわからないが、この辺りは遠い昔から古戦場もあったため、その頃のお武家の霊が貼りついたのではないかとされている。