妙見坂公園の軍人墓地(熊本県上益城郡御船町) | コワイハナシ47

妙見坂公園の軍人墓地(熊本県上益城郡御船町)

この軍人墓地は妙見坂公園を上がった先の草むらの奥に位置し、手前が階段になっている。近所の親たちは「子供が1人で行くな」と注意していた。

田中さんは小学校4年生の頃、この公園の階段でじゃんけん遊びをしていた。勝ったら1歩ずつ上がる、負けたら下がる。田中さんは勝ち続け、友だちは階段の1番下、田中さんは1番上まで行って大きく離れてしまった。

上まで行くと、例の墓地が潜んでいるのが見える。

「行くな」とは言われていても、一応下に友だちはいるし、まあいいか! と好奇心で草に覆われたような墓地に入り込む。

外からはわからなかったが、中に入るとひやーっとした空気。夏なのに寒い。慰霊の塔と書かれた墓碑の大きな石があり、苔むしたような小さな墓が並んでいる。パッと見た瞬間、その墓のそれぞれの後ろに人が立っているように見えた。

「うわ!」

田中さんは思わず声を上げた。だが見間違いのようだった。異様に心臓が早く打ち、変な汗が出てきた。ここに居ちゃいけないと思うのに、どんどん墓地の中に歩いていってしまうのだ。グイグイ、グイグイと磁力みたいに引っ張られる。

ある墓石の近くの草に足を取られしりもちをついた。

「オイ! 田中君!」

甲高い声が響いて、ハッと気づいた。階段の下で待っていた友だちが入口で叫んでいた。我に返ると、友だちに向かってまっしぐらに走る。

草かわからないが、足首を掴まれているように重かったが、何とか友だちの元にたどり着く。急いで階段を降りると、やっと暑い日差しで気分が戻った。

「どうしたと、何回も下から呼んだけど出て来んし、見にいったらフラフラ墓の中歩き回って……全然目が合わんし聞こえてないみたいだったけん……」

聞くと、田中さんは10分間くらいその場での記憶が飛んでいるようだった。しりもちをついてからやっと意識が戻ったようだ。

それからは怖くて二度とこの墓地には行かないようにした。現在も噂が浸透しているのか子どもが遊んでいる姿はあまり見かけない。とにかく霊が一杯いる場所だそうだ。

近くに火葬場があるのもそうだが、ここは西南の役でも戦闘を極めた場所。熊本隊や薩摩軍が南から襲ってきた官軍と闘い、御船川は血の川と言われたという。軍人墓地は故郷に戻れなかった薩摩兵が眠るという。

またこの妙見坂公園の山の下にはトンネルもある。ここに水が染み出し、幽霊の姿になっているとも言われるが、幽霊も見かけたとの情報も多い。

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