事故現場の収集物(東京都) | コワイハナシ47

事故現場の収集物(東京都)

都内在住の男性より聞いた、彼が学生時代の話である。

その同級生は、リアリストを標榜する変わり者だった。

部屋へ遊びに行くと、書棚に空き缶や人形、菓子の箱などが整然と並んでいる。聞けば、すべて事故現場の供物を盗んできたものだという。

高校時代から続けているのだと胸を張る同級生に、「祟られるぞ、止めとけ」と進言する。けれども彼に反省の色はなく、それどころか「ぜひとも祟ってほしいものだ」と嘯うそぶく始末だった。

「祟られたと思うから、病気も怪我も祟りになるんだ。思わなければそれはただの病気で、単なる怪我だ。そういうものを自分は信じないのだ、信じないからこそ、こうして不ふ遜そんな真似ができるのだ」

などと、屁理屈めいた持説を述べるのが常である。最初はそんなところも面白く感じていたが、部屋におもむくたび増える供物を目のあたりにし、「あと五個で三桁けたの大台だ」とはしゃぐ姿に醒めてからは、なんとなく疎遠になった。

そんな彼が中退した、と人伝てに聞いたのは一年後。

両親と祖父、加えてふたりの兄妹が相次いで事故死したのだという。

調べると、家族五人は同日のほぼ同時刻、それぞれまるで別な場所で亡くなっていた。

「これは祟りではないのか」と聞いてみたい気もするが、なんとなく連絡ができないまま現在にいたっているそうだ。

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