A墓の闇(北海道 函館山 外人墓地) | コワイハナシ47

A墓の闇(北海道 函館山 外人墓地)

函館山の麓、外国人墓地に異様に目立つお墓がある。

そこに刻まれた文字を読むと呪われる、というのが通説ではあるのだが、本当の墓を見つけ出すと命を奪われるという噂もある。

ある夏の夜、丑三つ時を迎えた頃、高田さんは友人の亮と健太を引き連れて肝試しに来ていた。

高校時代の先輩がここを訪れ、車が泥の手形でびっちり埋め尽くされていた、という話を聞いたのである。

一度でいいから霊体験をしてみたい三人は、意気揚々とA墓の前に到着した。

早速、刻まれている文字を読めるところだけ、適当に声に出してみる。

「合ってんのかな?」

「どうだろね?」

楽しそうに話す二人を尻目に、亮だけは黙って俯いていた。

「おい、どうした亮?」

声を掛けても無反応。

聞き取れるかどうか分からないくらいの小声で、何かをブツブツ呟き続けている。

やばそうだと判断した二人は、車まで戻ることにした。

歩き始めて少しすると、亮の姿が忽然と消えた。

すぐ隣にいた人間が姿を消すなどあり得ない。

慌てた二人は墓地内を必死で探し続けた。

暫くして見つかった亮は、墓地の奥側で何かに抱き着いていた。

力ずくで引き剥がしたが、それはどうやら小さめの墓石であるように思えた。

周囲の墓石とは異なる、茶色の小さな岩である。

具体的には説明はできないのだが、それを見た瞬間、全身が総毛立ったという。

「あぁー、うぅー」

亮は錯乱しているようで、何ごとか呻き続けている。

二人で亮を何とか押さえ込み、その墓地を後にした。

「家までは送り届けたんだけどね……」

その日の朝方、家の目の前の国道で、亮は車に撥ねられた。

全身を打ち付け、即死状態だったという。

もう一人の友人の健太も同日、消息を絶った。

何処かに行く当ても理由も不明であり、安否は未だに不明のままとなっている。

現在、高田さんだけが無事でいるのだが、その差が何なのかは分からないままである。

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