スカート(青森県) | コワイハナシ47

スカート(青森県)

派手な服装の女が朝の電車に乗っていた。

メイクはすっかり浮いてしまい、気怠げな表情はいかにも夜遊び帰りという風体だ。

女はイヤホンをしながらスマホを操っている。

出勤ラッシュ前の席はぽつぽつと埋まっていて、立っている者は座りたくないから立っているにすぎない。

「うわぁ!」

乗客の男の一人が大声を上げた。

見ると、女のスカートから無数のミミズのようなものが飛び出していた。

「うおおお」

こんなものを見たら、声を上げて当たり前だ。

だが、自分とその男以外は誰も声を上げない。

当事者の派手な女ですら、いかにも「はぁ?」という表情をしている。

女のスカートに、ミミズがススッと戻っていく。

席は離れていたが、男に同調の意を表すため、目配せをした。

男は、うん、うん、と目を見開いて頷いた。

二人で立ち上がり、女から目一杯離れた車両まで移動した。

あえて男とは会話を交わさないようにした。

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