二人乗り自転車(東京都) | コワイハナシ47

二人乗り自転車(東京都)

彼女は、仕事の帰りはいつも都内にある大きな公園を通っていた。

ある夏の夜、楽しそうに語らいながら身体を寄せ合うアベックでいっぱいの公園を、独身の彼女は目のやり場にこまりながら歩いていた。すると、向こうから二人乗りの自転車がやってきた。

公園の街灯に照らされた無灯火の自転車。しかし、だんだん近づいてくると、妙なことに気がついた。

なぜ最初に二人乗りだとわかったかというと、正面から見た時、人の顔がふたつ見えたからである。つまり、前でペダルを漕こいでいる人の頭越しにもうひとつの顔があった。当然その人は荷台に乗っているものと思っていたのだが、どうも変だ。前の人の肩に、うしろの人が手をかけているのだが、手と顔の位置関係がおかしい。

ゾクッと背中に悪寒が走る。

やがて自転車が彼女の横を通りすぎていった。

振り向くと、うしろの荷台にのっている人の首がぐにゃんと異常に長く伸びていた。

彼女はその時、自転車の人は首吊りした自殺者でも拾ってきたのだろう、と直感したという。

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