天狗を見た人(東北地方) | コワイハナシ47

天狗を見た人(東北地方)

ある雑誌記者から聞いた話である。

取材で東北地方に行った時、歩いていろいろなところを巡っているうちに、ひとつの小さな村に行きついた。

簡素な村なのだが、しばらく行くと、手に手に竹たけ竿や鍬などを持った十数人の村人がひとかたまりになって上の方を指さしたりして、わいわい騒いでいる。中にはほうきを持ったおばあさんや、猟銃を持ったじいさんまでいる。

「あのう、どうかしたのですか?」

なにが行われているのかさっぱりわからず、村人たちに聞いてみる。

「あすこのな、電線にな、さっきまで天狗がとまっとったんじゃ」

「天狗?なんですか、それ」

「あんた、知らんのけ、鼻の長いあの天狗じゃ」

「みなで捕まえようとしたんじゃ、んだども逃げられた」

やがて村人たちは、わいわい言いながらそれぞれの仕事に戻ったという。

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