金剛山をのぼる〝のびあがり〟(大阪府南河内郡千早赤阪村) | コワイハナシ47

金剛山をのぼる〝のびあがり〟(大阪府南河内郡千早赤阪村)

それは満月が夜空に輝くとてもきれいな夜だった。

彼は、月明かりのあふれる田舎の一本道を車で急いでいた。

ふと気づくと、フロントガラスから見える見慣れた金剛山の形が、いつもと違って見える。

あれ?と思って注意深く見ていると、どんどん山の形が変わっていくように見える。大きく膨らんでいく感じがするのだ。

それは気のせいか、月明かりのせいなのか。

不審に思っているうちに、山がそのまま「よっこらしょ」と言わんばかりに黒い巨大な人影となり、それが空に向かってふわぁーっとのびていく。

だが、車のフロントガラスから見えるのはそこまでで、空のどこまでのびていったのかはわからない。ただ、巨人の足のようなものが金剛山からふわっと離れたところまでははっきりと見えたのだ。

そのまま彼は車から降りて空を仰いだが、空にはきれいな満月が輝いていて、いつもの見慣れた金剛山がそこにあった。

あれが子供の頃本でみた〝のびあがり〟とか〝大入道〟とかいうものなのか、と彼はその時そう思ったそうだ。

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