足音 苦竹インターチェンジ付近(宮城県仙台市宮城野区) | コワイハナシ47

足音 苦竹インターチェンジ付近(宮城県仙台市宮城野区)

数年前、久美子さんは苦竹インターチェンジ近くにある会社に勤めていた。その頃、一度だけ怪異体験をしたことがあるという。久美子さんは恐ろしくて、今まで同僚はもちろんのこと、友人にも話すことができなかったそうだ。

だが、最近になって、ネットで同じ場所で似たような体験をした人がいると知り、久美子さんは語る気持ちになったという。

当時、久美子さんが働いていた会社では、大事なイベントを控えて残業が続いていた。

その日も仕事が遅くまでかかりそうだったので、久美子さんが全員分の夜食を買ってくることになった。

久美子さんは事務作業で一日中座りっぱなしだった。そのため、身体を動かしたいと、自動車を使わずに歩いて行くことにしたそうだ。

買い出しを終えた帰り道、久美子さんは苦竹インターチェンジ付近にあるトンネルに差しかかった。このトンネルは歩行者用で距離も短い。

久美子さんがトンネルの中を歩き出すと、どこからともなく足音が聞こえてきた。

久美子さんの前方に歩行者は一人もいなかった。そのため、後方を歩いている人がいるのだろうと思ったという。

何気なく久美子さんは振り返った。そして、驚いた。なんと後ろにも歩行者はいなかったのだ。

しかし、聞こえてくるのは確かに足音だ。勘違いではない。

では、この足音はいったいどこから聞こえてくるのだろうか? 久美子さんは気味が悪くなって、足を速めた。

すると、今度は前方から姿は見えないのに誰かが走って来るような気配を感じた。久美子さんは思わず足を止めた。

その時、微かに人の声が聞こえてきた。久美子さんはトンネルの中を見回し、声の主を探した。

だが、姿は見えないし、声もハッキリとは聞こえてこない。

しばらくすると、男とも女とも分からないような、しゃがれた声の発する言葉が、久美子さんの耳に届いた。

「助けて、けさいん……」

久美子さんは、正体不明の足音と声をかき消すぐらいの大きな悲鳴を思い切り上げながら、全速力で会社へ戻ったそうだ。

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