河童を見たその二(大阪府門真市) | コワイハナシ47

河童を見たその二(大阪府門真市)

知り合いの広告会社勤務のKさんから、「ウチの隣の会社の社長さんが、河童を見たと言うてるぞ」という連絡をもらった。

早速その社長さんという人を紹介してもらったが、その社長さんは誰に言っても馬鹿にされるばっかりで、と、その体験とやらは語ってくれなかった。しかしKさんによると以前その社長さんは、こんな話をしていたという。

それは数カ月前のこと。

社長さんは、なんとか最終電車に乗り込み、夜中一時を過ぎた頃、門真市のある駅についた。ここから歩いて家に向かっていた時である。

向こうに見える電柱の下に、子供の影が立っている。それが、社長さんの姿を見て、ふっと電柱の陰に隠れたのである。

(こんな夜中に子供……)と思ったが、社長さんはお酒が入っていたので、なにか錯覚かな、とあまり気に留めなかった。そしてその電柱にさしかかった時、電柱に取りつけてある街灯に照らされた、その影の正体が見えた。

服を着ていない。灰色のヌメッとした皮膚。二本足で立つ、細い手をだらりと下げ、らんらんと輝く目のある顔。その口が耳まで裂けている……。

ギョッとした社長さんは、それでも、俺は酔ってる、酔ってる、酔ってるから、あんなものが見えるんだ、と自分に言い聞かせながら、その場を通り過ぎた。そして、もう一度それを確かめようと、振り返って電柱を見た。

やっぱり、それはいた。

「わあーっ!」と、はじめて社長さんは全身に恐怖が走り、あわてて家へ駆け込んだのだという。

翌朝出社した社長は、しきりにその得体のしれないものとの遭遇体験を話したが、社員たちは「社長、あほなこと言わんといて」と、まったく信じてくれないばかりか「社長、あんた、頭おかしいんちゃいまっか」とまで言われて、とうとう語らなくなってしまったという。

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