種松山の火葬場(岡山県倉敷市) | コワイハナシ47

種松山の火葬場(岡山県倉敷市)

「種松山」の山頂には公園があり、春は桜の名所でもある。地元の小学生の遠足場になっているめ、昼間は怖い印象を受けない。

だがこの山は夜になると雰囲気がガラリと変わる。夜景スポットとしても有名なので、夜の種松山に訪れたことがある山田さんの話だ。

「あの山は火葬場があるんですよ。ちょうど道が分かれていて、どっちか迷ったんで、間違って火葬場の方に進んでしまったんですね」

火葬場の建物が出てきた時、「しまった」と思いUターンすることにした。夜は暗く、こうした場所はさらに不気味になる。

その時、同乗していた友達が、

「あっ」

と声を漏らした。

「どうしたん?」

と山田さんが声を放つと、

「今、その建物の前で人がいっぱい立っとったけん、何かなと思って」

「そ、そうなん……」

山田さんにはそれが見えなかったので、そのことについては黙っていた。

下山する道に出て、運転に集中していた時だった。

「さっきの人たち……、それで、今も後ろに乗ってきとるよね」

と言い出した。

その時、ひんやりするような霊気が背中に走った。

「やめてよ」

山田さんは、明らかに後部シートに人の気配を感じていた。

「わかっとるよね……。後ろにおるよね……。何人かな……」

「やめてって」

山田さんは声を荒げて、助手席の友達の背中を二度ほど強く叩いた。

「痛い! 何すんの?」

友達は痛がったが、その瞬間、しゅうううっと霧のようなものが助手席の窓から抜けていった。

「今、出て行った」

友達がぽつりと言うと、眠くなったのか、彼女の家に着くまで爆睡していた。

後でこの時の話をすると、火葬場の入り口でたくさんの黒い影が見えたので、本当に団体客だと思ったそうだ。

Uターンして戻っている時に、その黒い影がいくつか後部シートに乗り込み、乗れなかった影たちは、後ろから車のスピードに合わせてくっついてきたそうだ。

山田さんが彼女の背中を叩いたら、後部シートにいた黒い影が窓を抜けて去って行ったという。背中についてこようとしていた火葬場の霊が叩く音で逃げたのかもしれない、と。

山田さんはその後、見晴らしのいい道でなぜか歩道に乗り上げる自損事故を起こした。その話を聞いて、車に霊が憑りついている可能性があるとみて、神社にお祓いに行った。

この山には女子トイレにも女性の遺棄死体が見つかり、その女性と思わしき幽霊の目撃情報がある。また、すれ違いにクラクションを鳴らされて、振り向くと対向車が見当たらない、という情報もあった。

火葬場の霊がさまよって悪さをしているのかもしれない。

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