ケース三「院内の怪」(岡山県笠岡市) | コワイハナシ47

ケース三「院内の怪」(岡山県笠岡市)

(以前T病院に勤めていた看護師Cさんの証言)

Cさんは以前T病院に勤務していたのだが、数ヶ月しか続かなかった。退職理由はもちろん怪異。Cさん曰く院内では頻繁に奇妙な現象が発生しており、それは自分を含めた新人看護師がどんどん辞めていくほどに酷いものだった。

そんな異常な数ヶ月間の中で、Cさんに退職を決断させた体験を聞かせて頂いた。

当時のT病院は人手不足だったのか、Cさんはかなり忙しい毎日を送っていた。

帰宅して倒れるように寝て起きると、もう朝の出勤時刻。

Cさんの携帯電話のアラームは毎日大活躍していた。

そんなある日の早朝「朝ごはん買って来て」と先輩にお使いを頼まれた。T病院の一階には小さな購買所があり、病院の勤務者たちがよく利用していた。

「お願いします」

自分と先輩の分の朝食をレジに置くと、

「はいよ。今日も忙しそうじゃねぇ」

いつものおばさんが気をかけてくれた。

Cさんには勤務を一時抜けて購買所でおばさんと話す時間が癒しとなっていた。

「ありがとうございます」

「また買いに来てね」

買い物を終えてエレベーターに乗り込むと異変が起きた。

エレベーター内には一人しか居ないはずなのに、Cさんに続いてギシ、ギシギシギシと、エレベーターが揺れるのだ。それはまるで誰かが乗って来た時のような揺れだった。

気にせず行き先の階のボタンを押すと、エレベーターが動き出した。

ギシギシ、ギシギシギシ……

「えっ?」

Cさんはそこでやっと異変に気がついた。

エレベーターが動き出したにもかかわらず、何者かが乗り続けて来る揺れ、そして気配がどんどん増えている。

「何これ……?」

その狭い空間は、まるで満員の電車に乗り合わせたかのような圧迫感を感じさせた。

もちろんそこにはCさん以外誰も居ない。

「……な…で……の?」

Cさんの背後で声が聞こえた。が、そこには誰も居ない。

チン

怯えきったCさんはエレベーターの扉が開くや否や、飛び降りるように出ると誰も乗って居ないエレベーターは何事もなかったかのように扉が閉まり、上階へと上った。

気のせいなのだろうか? いや違う。Cさんは確かに聞いた。

「何で乗っているの?」という声を。

数週間後耐えきれなくなったCさんはT病院を半ば強引に退職した。

T病院の話は、十年前にたまたまBに写真を見せてもらうまで噂どころか存在自体知りませんでした。「岡山の怖い話」の取材のためにT病院内を一通り探索したのですが、失礼を承知で言わせて頂くと薄暗く何か気味が悪い場所でした。病院が建つ以前、この土地には何か悪い事があったのだろうか? と調べてみるも、以前そこにあったのは普通の水田。事件や事故が発生したという記録は何もありませんでした。それでは、何が原因でT病院はその様な奇妙な現象が頻繁に起こる場所となってしまったのでしょうか? 私は今後もT病院の取材を続けて行こうと考えているので、何か進展があれば、またの機会に……。

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