首吊りの木その二(大阪府枚方市) | コワイハナシ47

首吊りの木その二(大阪府枚方市)

タレントのM君が小学生の頃、奇妙な木を見たという。

ある夏休み、枚方市にある親戚の家に遊びに行った。この時、近くの神社の木で首吊り自殺があったと聞き、翌日、兄と一緒にその木を見に行ったのである。

神社の石段を上る途中、一本の木を見た。この時M君は戦せん慄りつを覚えた。

その木の幹から枝から、ありとあらゆるところから人の顔が浮き出ている。その顔があんまりリアルだったので、まさかこの木が首吊りのあった木なのでは?と、ふと見上げた。そこにロープが一本、ぶら下がっていたのである。

この体験談は十数年も前のことだそうだ。

しかしその場所は今もはっきり覚えているので、一度一緒に行ってみませんかとM君に誘われ、昨年の夏、私もその神社へ行ってみることにした。

それは街中にあるなんということのない普通の神社。M君は懸命に、顔の浮き出た木を捜しているが、それがなかなか見つからない。あんまりウロウロしているので、境内で遊んでいた子供たちが集まってきて、なにをしているの、と聞いてくる。

「このあたりに変な木あるの、知らんか?」

と子供たちに質問すると、

「この木、人が死ぬ木やねんで」

と、近くにある木を指さした。

それは大きな樫の木。そういえば、この木はまわりの木とは違う独特の雰囲気がある。また木の幹一面にでこぼこが多く、これをM君が顔と錯覚したとしてもうなずけるような奇妙な形をしている。まわりの雰囲気からして、子供の指さした木が小学生の頃見たものかもしれないと、M君も納得した。

子供たちに詳しく聞いてみたところ、言い伝えでは、この木に名前を彫ると必ず死ぬとか(確かに何人かの人の名前が彫られていた)、この木では昔から首吊り自殺が多いとか、そんな話を聞かせてくれる。

私は、そんな話を8ミリビデオに収録した。

子供だけの話では仕方ないので、近所のおばさんや駄菓子屋のおばあさんたちにそのことを聞こうとすると、愛想のよかった人たちが一様に顔を一変させ、あそこで首吊りした者などおらん、などと言って、こちらの取材には応じてくれない。だがその態度がかえって私には奇妙に思えた。

その夜、家に帰って取材したビデオを見て驚くことがあった。

その木にカメラを向けると、色が完全に消えて、モノクロとなる。ところがカメラを証言している子供たちに向けるとカラーに戻る。木がフレームに入るとまたモノクロになる。これが繰り返されるのである。

翌日、私は天神祭りの様子をそのカメラで撮ったが、別にカメラに異常はみとめられず全編カラーで撮れていた。

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