開かずのトイレ(和歌山県) | コワイハナシ47

開かずのトイレ(和歌山県)

和歌山県K高校に野球部の寮がある。

その寮は昔、女子寮だったそうだ。

噂ではあるが、その頃、寮のトイレで女生徒が首を吊り、貯水槽に顔を突っ込んで死んだというようなことがあったという。

建物自体は改装が施され、見かけは新しくなったがどうもそのトイレだけは皆、気味悪がった。特にその首吊りがあったという奥のドアは、開かずのトイレになっていた。現にそのドアには鍵かぎがかけられ、釘くぎが打ちつけてあり、使用禁止の札がかかっている。

七年前、新入生のS君はここの野球部に入った。

ある真夜中、S君はそんな噂を知らずにトイレに行った。

トイレのドアが三つあり、一番手前のドアをノックすると、トントンと中からノックが返った。

二番目のトイレのドアをノックする。やはりトントンとノックが返る。

続いて一番奥のトイレをノックする。するとノックが返らず、そのままギギッとドアが開いたので、S君はそこで用をたした。

さて、用が終わり水を流そうとクサリを引っ張ったが、水の出が悪くて全然流れない。

このまま汚しておくと、上級生に大目玉をくらうと思い、部屋から洗面器を持ってきて水道の水を汲くんでは便器に流していたが、それでもうまくいかない。

仕方ないので、寮長の先生を起こしに行った。

「しょうのないやっちゃな」

と先生はブツブツ言いながら、掃除道具を持ってトイレに同行してくれた。

「どこや」

「はぁ、あの一番奥のトイレです」

とS君が言うと、

「えっ、あのトイレ使こたんか?」

と先生の顔が青ざめる。

「あそこは開かへんはずやぞ。どうやって開けた?」

「いや、開いてました」

見ると、誰の仕業なのか鍵がはずされ、釘も抜かれていた。

「そんなはずあれへん……実はな、ここは……」

とはじめてS君は首吊りの話を先生から聞かされたのである。

「……?でしょう……」

とS君はすっかりビビってしまった。

とにかく、このままほっておくわけにはいかない。試してみるとやっぱり水は流れないので、先生は貯水槽によじ登って見た。その瞬間、

「わあーっ!」

と先生は大声を上げた。

物凄い量の長い黒髪がバサァと貯水槽内に入っていて、水を詰まらせていたのである。

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