命日にて(愛知県 岡山県) | コワイハナシ47

命日にて(愛知県 岡山県)

愛知県出身のFさんのお父さんは、大のタバコ好きであったが、晩年はずっと医者にタバコを止められていた。そしてそのまま死んでしまったという。

そのお父さんの命日に、故郷に戻り墓参りをした時のこと。

墓石の両端に花をさして、

「最後はタバコ吸えんかったからな、好きなだけ吸いや」

と言いながら、タバコに火をつけて目の前に立てた。するとその瞬間、スーッと見る見る灰になり、根もとまで灰になると、パラパラッとタバコが崩れた。

(親父が吸ったのだな)

と思って、もう一本立てると、やはりスーッと灰になる。不思議とその間煙はまったく出なかった。続けて三本目もあっというまに灰になった。

四本目をさすと、やっとタバコから煙がたち昇りはじめたという。

似た話がある。

岡山県出身のAさんのお父さんはお酒がたいへん好きであったというが、やはり晩年医者に酒を止められていた。

命日に、その親父の墓石を酒で洗ってやろうと思い、さーっと酒をかけると、それがみるみる墓石に沁しみ込んでいく。もう一度かけるが、やはり墓石が酒をみるみる吸いとっていく。一滴たりとも墓石を伝って落ちない。

Aさんも、

(これは親父が飲んでいるんだな)

と思ったそうだ。

そして五合の酒が、いよいよあとコップ一杯だけになり、その最後の酒を墓石にかけるとはじめて酒が墓石を濡らし、そのままぽたぽたと土を湿らせたという。

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