一滴の血(東京都渋谷区原宿) | コワイハナシ47

一滴の血(東京都渋谷区原宿)

Oさんは、以前、原宿のブティックでいわゆるハウスマヌカンをやっていた。

そのお店というのが、場所のわりにはお客が極端に少なく、なにか陰気な場所であったらしい。

ある日、Oさんひとりで店番をしていたが、この日も客はあまりなかったので、閉店時間にならないうちに帳簿をつけて帰ろうと、帳簿のページを開いた。

すると帳簿の上に、ポタン、と一滴の血が落ちた。

(あっ、鼻血!)とOさんは思わず自分の鼻に手をやったのである。

ところが、鼻血どころか、どこも出血している痕跡はない。

しかし、帳簿の紙に付着しているのは紛れもない血。とっさに天井を見上げたが血はおろかシミひとつない。

この日、Oさんは帳簿をつけるのはやめにして、いそいそと早退した。

彼は、このお店にお客が入らない原因を、そこに見たような気がした。

翌朝、お店に入って帳簿を見たが、やっぱり一滴の血が塊となって、昨日開いたページにへばりついていたという。

そのうち、このお店はなくなってしまい、続いてパン屋さんが同じ場所に開店したが、しばらくして不審火を出して、燃えてしまったそうだ。

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