なわとび(大阪府岸和田市) | コワイハナシ47

なわとび(大阪府岸和田市)

岸和田市の友人宅にK君が泊まりに行った時の話である。

夜の九時頃、友人宅の近くまで来た時、今どき珍しく傘付きの裸電球のある木の電柱を見た。その電球の明かりの下で、赤いチェックの服を着た小学校低学年くらいのおかっぱ頭の女の子がひとり、ぽんぽんとなわとびをして遊んでいる。

K君は、こんな時間に小さな女の子がたったひとりで遊んでいること自体、ちょっと妙にも思ったが、住宅地だったので共稼ぎの家の子で、両親の帰りでも待っているのだろうと考えた。そして、その子に四、五メートルくらいに近づいた時、女の子はなにが恥ずかしいのか、すうっとその木の電柱の陰に隠れた。

K君は、そのまま電柱の横を通り過ぎたが、なぜか妙にその子のことが気になって、振り返ってその電柱を見た。するとさっきまで女の子が使っていたなわとび用のひもがきれいに結ばれて、電柱の足掛けにひっかけてある。だがその足掛けは、K君でも届かない高さにある。そしてその女の子の姿も見えない。

はて?と思いながら友人宅に向かいかけるが、またそれが気になってもう一度振り返った。

女の子がいる。電柱の陰に隠れていて、そこからこちらを見ている。手にはそのひもをしっかりと握りしめている。足掛けを見るとひもはない。

「あっ、持ってるやんか、さっきのは気のせいか」

と自分で納得して、K君はそのまま友人宅に向かったのである。

翌朝、友人宅の玄関で靴を履きながら(そういえば、あれはちょっと不思議な感じがしたな……)と昨晩のことを思い出した。

帰り道にその電柱を確認しようとあたりを見たが、そんなものはない。

まわりにあるのは全部コンクリートの電柱。しかも昨夜見た場所には、電柱も電灯もなにもなかったのである。

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