確認 (北九州市小倉南区) | コワイハナシ47

確認 (北九州市小倉南区)

北九州市でタクシー運転手をしている牧さんから聞いた話。

ある日の夜、繁華街を流していると、道路脇で1人のスーツ姿の男性が手を挙げている。

スピードを落として車を端に寄せ、停車してドアを開ける。

「〇〇神社でお願〜い」

車内に倒れ込むなり、男性は酒の臭いを漂わせながら、小倉南区にある某神社の名を告げたそうだ。

「わかりました」

神社の近くに住んでいる方だろうと、そのまま車を走らせる。

男性はニヤニヤと笑みを浮かべながら、バックミラー越しに牧さんを眺めている。

(気持ち悪いお客だな)

まさかこんなに泥酔している状態で強盗はないだろうと思ったが、何かを企んでいるような、そんな雰囲気が漂っていたそうだ。

しばらく走ると車は神社へと続く坂道に差しかかった、道の両脇には木々が鬱蒼うっそうと生い茂っており、民家も少なくなってくる。

「もうすぐ着きますけど、神社でいいんですか?」

「もうすぐ……クククッ」

「お客さん? もうすぐ着きますけど、神社でいいんですね?」

すると、男性はすー、と腕を上げて窓の外を指さした。

「えっ?」

スピードを落として、軽く顔を捻りながら外の様子を伺う。その時、左側のバックミラーに何かが写っているのに気付いた。

暗闇の中でライトも点けずに何かが近づいて来ている。

だんだんとミラーの中で姿が大きくなってくるそれは、あっという間に車に並び、そのまま走り去っていった。

その正体は、白のブラウスに赤のスカート、赤の靴を履いた小学生くらいの女の子だったという。

暗い坂道をライトも点けずにすごいスピードで走り抜けた女の子は、靴を片方履いていなかった。

それを見た牧さんは呆気に取られて言葉も出なかったそうだ。

「ウフフフ」

驚いている牧さんを見て男性は嬉しそうに笑みを浮かべている。

「ちょ、お客さーん、今の何なんですか? やめてくださいよ!?」

「あんたも見えた? いつもいるんだよ、いつもね、やっぱ俺の見間違いじゃない」

そう言うと、男性は神社近くの住所を改めて告げ直し、満足そうな顔をして料金を払っていったのだという。

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