空き家の撮影(東京都町田市) | コワイハナシ47

空き家の撮影(東京都町田市)

あるテレビドラマの撮影隊が、東京都町田の住宅街に入った。

同じような型の住宅が並んでいる中のひとつに空き家があって、そこを借りての撮影だったという。

ドラマの脚本を担当したTさんが撮影の見学に来た。

撮影は中庭で進行していて、リビングルームが役者さんたちの控え室として使われていたが、そこにTさんが入ると、メイクさんがスタッフや役者さんを集めてなにやらヒソヒソ話している。

「何話してるの?」とTさんが聞くと、リビングの脇にある和室をメイクさんが指さして「あの部屋、変なのよ」と言う。

ついさっきまで、和室から人の声が聞こえていたというのだ。

それは嫁と姑の言い争うような声。

(何もめてんの?)と最初は思ったが、その部屋には誰もいないはずだ。

確かめようと障子に手をかけてすーっと開けると、冷気が全身にかかるように襲ってきて、ゾッとする。もちろん、誰がいるわけでもない。撮影の道具やスタッフの荷物が置いてあるだけだ。

ところがリビングにいると、やはり人の話し声が聞こえるのである。

Tさんも部屋を覗のぞいてみたが、別に異状はなかった。

「じゃあ何かあったら、また知らせてよ」とメイクさんに言い、Tさんは中庭に行って撮影現場を見学した。

しばらくすると、メイクさんがそそっと寄って来て、「今、和室の障子に人影立ってます」と耳打ちする。

Tさんはさっそく見にいったが、人影は消えていたという。

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