通り道(兵庫県神戸市) | コワイハナシ47

通り道(兵庫県神戸市)

「もう何年も前のことになるんですけど、当時住んでたのは神戸の中央区の辺りなんですね。その年の十月か十一月頃からやったと思うんですが、その頃から夜中になると、家の中が騒々しいんですよ」

辻村さんの家は一戸建てだったのだが、深夜、皆が寝静まると途端に騒々しくなった。廊下を歩く音や、壁を叩く音、人の話し声が聞こえてくることさえあった。それは玄関から廊下、居間、辻村さんが寝てる部屋まで家の中のあちこちで起きた。

それまでは一切そういうことはなかったのに、どうしたことだろう。辻村さんも旦那さんも不思議に思っていると、ある日、一緒に住む義母がこんなことを言い出したという。

「家の前の道な、亡くなった人の通り道やったんや。それがこないだから、道が変わってこの家の中になっとうで(なってるよ)」

「お義か母あさんは沖縄県の出身で、そういうのが見えたり解ったりする人なんですよ」

義母が言うには、家のすぐ外側にあった霊の通り道が、いつの間にかこの家の中を通るようになっているのだという。だから夜中になると、家の中を大勢の霊が次々に歩いて行くので騒々しくなるということだ。

「それでね、お義母さんはそれがおかしい、おかしいって言うんです。普通は霊の通り道がそんな簡単に変わったりしないって。絶対これは何かあるって。それで心配になって引っ越したんですよ。そしたらその二か月後に震災が起こったんです。住んでた家は全壊しました]

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