流れる猫(大阪府寝屋川市) | コワイハナシ47

流れる猫(大阪府寝屋川市)

「寝屋川の方に住んでる友達から聞いた話なんですけども、小さい頃よく友達と河原で野球やって遊んでたんですね」

天気は快晴。絶好の野球日和だ。

片野君が守備についていると、バシャバシャと音を立てながら川を何かが流れてくるのに気が付いた。見てみると、それは猫だった。

「あ、猫が流れてる!」

片野君はみんなにも声を掛けた。全員が集まってきて川を見る。

猫はもがきながら浮いたり沈んだりを繰り返し、ゆっくりと川下へ流されていく。助けないとこのまま溺れ死んでしまうかもしれない。

そんな状況は初めてだ。「何とかしないと」とは思うのだが、子供ばかりでどうして良いか分からない。

「早よ助けんかい!」

突然背後から怒鳴られて、全員驚いて振り返った。

後ろには左目に眼帯をしたおじさんがいつの間にか立っており、怖い顔で睨んでいる。

片野君たちは慌てて猫を助けに行った。と言っても、やはりどうして良いか分からない。とにかく長い棒か何かをと、辺りを探すが見つからず、それならバットを使おうということになり、それで何とか猫を手繰り寄せて、助けることが出来た。

もう一度おじさんの方を見ると、その姿はどこにも無かった。

助けた猫に左目は無かった。

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