石つぶて(広島県) | コワイハナシ47

石つぶて(広島県)

Oさんは広島県の出身だ。中学の頃は自転車通学をしていたそうだ。

ある日、黄昏の山の中。いつもの砂利道を自転車で下っていると、コンと後頭部に小石が当たった。

「いってえ!」

と思わず声を出して振り返ったが、誰もいない。

それでまたOさんは自転車を漕こぎだした。

コン、とまた小石が当たった。

また振り返るがやはり誰もいない。

なんだかおかしい。自分は自転車に乗っている。その後頭部に二度も小石をぶつけるには、すぐ後ろに誰かがいて、石を投げているはずだ。なのに、後ろにはまったく人気がないのだ。

(ははあ、こら、狸か狐の仕業やな)

とOさんは思った。

(それやったら無視したろ……)

Oさんはまた自転車にまたがると、ペダルに力を入れた。

するとまた小石が当たった。

(こら、完全に馬鹿にされてる)

そう思ったOさんは「こら狸!お前は人の頭に石投げるんしか能ないんか!そんなことぐらいではびっくりせんぞ」と大声を張り上げた。

あたりはしーんと静まり返っている。

Oさんはまた自転車のペダルに足を乗せて、おそるおそる砂利道を進みだす。振り返ったが今度は何も起こらない。

フッと安心感が湧いた。と、前を見た瞬間、Oさんはあわててブレーキをかけた。

停止した自転車の一メートルほど先から四、五メートル先までの砂利がない。そこだけを綺麗に箒で掃いたかのように、堅くなった土が露出している。

(ここにあった砂利が、全部わし目がけて飛んできたらかなわん!)

そう思って引き返そうと後ろを向くと、そこには砂利の小山ができていたという。

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