ドッジボール(兵庫県尼崎市) | コワイハナシ47

ドッジボール(兵庫県尼崎市)

私が小学生の頃、クラスメートがこんな体験をしたらしい。

武庫川の河川敷のグラウンドでドッジボールをしていたという。

そのうち夕方になった。

誰かがポーンとドッジボールを山なりに投げると、そのボールがガチッと空中で止まった。

本来ならば弧を描いて落ちてこなければならない。それが静止したまま、ビクともしないのだ。

だんだんと夕日が六甲山へと沈んでいく。もう帰らなければならない。

「どうしよう」と、みんなは顔を見合わせた。

なぜ、空中にボールが静止しているのか、という不思議よりも、早く落ちてこい、という気持ちだった。ともかく河川敷のグラウンドなので、みんなは河原から石を拾ってきては、ボールめがけて投げた。

ところがボールは、ビンビンとその石を跳ね返す。

するとひとりの子が、割れた物干竿を拾ってきた。

その子は竿でボールをコンコンとたたいたり、つついてみたりするが、竹竿がしなるだけでやはりそれは空中に静止したまま動かない。

とうとう六甲山の山陰に日が降りてしまった。

「もう帰ろうや」

「そや、明日なんとかしよう」

と、みんなが一斉にボールに背を向けて帰ろうとした途端、ターン、タンタンタンとボールが落ちて弾む音がする。

あっと振り返ると、グラウンドに跳ねるドッジボールがあった。

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