ばあさんにまつわる二編(千葉県、東京都) | コワイハナシ47

ばあさんにまつわる二編(千葉県、東京都)

ばあさんその一(千葉県)

千葉県にあるTさんの自宅に友だちが遊びにきた。

二階の自室でしゃべっていると、トン、トン、トン、トンと誰かが階段を上がってくる音がする。

家族は出払っていたが、帰ってくるにはちょっと早いなと思っていると、シュッと襖ふすまが開いた。

見たこともない、白髪のばあさんが立っている。

憤ふん怒ぬの相とでもいうようなすごい形相。そのばあさんがキッと友だちの方をにらんだかと思うと、その友だちはものすごい勢いでふっ飛んで、後ろの壁にドンと叩たたきつけられた。

「大丈夫か!」

Tさんは友だちを助け起こしながら「ばあさん何すんだ!」と振り返ると、もう消えていた。

ばあさんの形相は今でも強烈に脳裏に残っているとTさんはいう。

「あのばあさんの口は、言葉を発するようなものには見えなかった」と。

ばあさんその二(東京都新宿区)

作家のFさんが、新宿にあるホテルに泊まった時のこと。

その夜パーティに招待されていたが、思いがけず早めに終わったので、ヤレヤレと六階のツインの部屋に戻った。原稿を書くために出版社が用意してくれていた部屋だったので原稿を書くつもりだったが、パーティが早く終わった分くらいは寝られるかなと、ベッドにもぐり込んだ。

目が覚めた。

どのくらい寝たのだろうか。とにかく頭がスッキリしていて、寝たという充実感がある。と、途端にゾッと悪寒が走った。横を見ると、ばあさんがぽつんと正座している。

白髪で白い着物。白い髪はびっしょり濡れている。

「あの、ここ、僕の部屋ですけど……」とFさんが声をかけるが、そのばあさんはFさんをじっと見つめている。

「あの……」とまた声をかけようとして、ギョッとした。

ばあさんの白い髪の中から白く細い角が二本、にょっきりと出ていたのだ。すると、ばあさんの表情がみるみる変わって、口が耳まで裂けていく。次の瞬間、バッと立ち上がって両手を大きく広げたかと思うと、こちらに飛びかかって来た。

「わあ!」とFさんは両手で自分の顔をおおってその場に伏せた。と、ブワッと風が身体に当たったかと思うと、Fさんを通り抜けてその怪しい者の姿も消えたという。

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