堕胎 産婦人科医が聞く声(東京都) | コワイハナシ47

堕胎 産婦人科医が聞く声(東京都)

これは、親友のモト冬樹から直接聞いた話です。

ああ見えて、彼の父親は、けっこう評判のいい、産婦人科の医者をしているんですよ。すこぶる評判がいい。モト冬樹の父親が経営している病院に行くためだけに、わざわざ二、三時間かけて、通院してくる人もいるらしいんです。

そんなモト冬樹と、ついこの間、仕事で一緒になりました。

収録までの時間が空いたもんだから、

「コーヒーでも飲もうか?」

ということになる。で、ソファでくつろぎながら、雑談していたんです。

その時、モト冬樹が、僕にポツリと言うんですね。

「近頃の若いやつは、知り合ったその日にSEXしちゃ、赤ん坊をゴミ箱の中にポイと捨てるように堕ろしちまう。こう言うのって、なんだか悲しいよね?」

べつに偉そうなことを言うわけはありませんが、たしかにそうした風潮は、僕も、ちょっとマズイなと感じるところがありました。

一〇代、二〇代の若者ってのは、いわば性欲の塊のようなものですからね。僕もそうでしたから、人のことは言えません。

ですが、僕の頃はもっとこう、自分の行為に責任感みたいなものを感じていたんです。いまみたいに、平気で赤ん坊を堕胎なんてことは、そうはしませんでしたよ。

なのに、いまは平気でみんな、それをやってしまう。

アメリカなんかでは、それが一種の社会問題になりつつある。議員バッジをつけたお偉いさんたちが、真剣に、対策を話し合ったりしているそうです。時代は変わったもんですよ。

で、モト冬樹が言うには、ここ最近、そうした堕胎を一切受けつけない産婦人科も増えてきているそうなんです。

なんでかって聞くと、

「胎児の悲鳴が聞こえるから」

って言うんです。

(なんだそりゃ)

僕はそう思いましたね。はじめは信じられませんでしたよ、そんな話。

(俺をだまそうとしているじゃないのか)

と思ったほどですが、よくよく聞いてみると、

(なるほど)

と思えてくるんですよ。

産婦人科というのは、本来、妊婦の出産を手助けする場所でしょ。つまり、生命が生まれ出る、神聖な場所なんです。

でも、堕胎はその逆。命を絶やす行為なんです。

しかも、近頃は昔と違って、驚くほど医学が発達している。母親のお腹にいても、男か女かわかる。本当か嘘かはわかりませんが、胎児の寝言やいびきまで聞こえてくると言うんです。

まして堕胎とは、生まれてくる赤ん坊が母親に守られながら、安心しきってスヤスヤと眠っているところを、突然、ひっかき棒のような先の尖った医療器具で、切り刻むことなんです。丸くなって眠っている胎児を、骨ごとね。

ギリッ……、ギギ……ッ

と、切り刻むんです。

想像してみて下さい。

胎盤の外に出すために、まだ生きている胎児を、つつんでいる半透明な膜ごと、ビリビリと引き裂くんですよ。

その時、聞こえるらしいんです。胎児の悲鳴が。

「イギィィィイイイイ―――――!」

と、悲鳴ともうめきともつかない声を上げるらしいんです。

本当らしいですよ。

だから、産婦人科の先生の中には、

「もう堕胎はしない」

と言い張る人も出る。

モト冬樹の父親も、一切、堕胎はしないんだそうです。

うそだと思ったら、今度、近所の産婦人科の先生に聞いてみてはどうですか。

本当の事を言ってくれるかどうかは、わかりませんけどね。

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