禁断の眠りカローラ山荘(青森 八戸市) | コワイハナシ47

禁断の眠りカローラ山荘(青森 八戸市)

噂がつきない場所というのがある。

廃墟になった隔離病棟というジャンルだ。

誰も近づけなかった施設。

闇宗教の基地で、身元不明者はそこに連れて来られてひっそり死んだとか、

精神病患者の隔離された療養施設で、日常的な虐待があり、殺された患者の骨が何本も出るとか。

生体実験に使われたガス室があるとか。

廃墟マニアのKさんが10年ほど前に訪れたことがある。彼は八戸出身で、

ここの噂はたくさん聞いて育った。

荒れ放題の草や木々の中をかきわけて、マニアの友人と敷地に入った。

一度だけ不思議な体験をしたという。

蝶々ハウスと言われる、山荘の主要建物があった。

欧米のログハウスを感じるような建物。

二階の窓からじっと見る顔が見えた。

ひげづらで丸いおじさんの顔。

「誰かいる」

周りの友達も見た。

その顔はにやっと笑ってすぐひっこんだ。

もう廃墟となって誰もいないとわかっているのに。

でもみんなが口を揃えて言った。あれは元院長の顔だと。

後で資料を見たら、その日が院長の命日だったという。

木々の中に立っている彫刻がまるで人影のようで、早々に立ち去ったと言う。しかし霊感のある子に言わせると、怨霊の類はいなかったという。

気になったのは、一つだけ、焼却施設のような場所があった。

そこで何か悲しいことがあっただろう、霊を感じると言っていたという。

八戸市の海岸のすぐそばにあるカローラ山荘。正式名称は、迦楼羅山荘。

青南病院の初代院長、千葉元氏が『精神病患者の芸術療法』にと作られた施設だ。

今は取り壊された施設が多いが、以前の姿を偲ぶ人々も多い。

「薬なんか、そっだらもんに頼って、医者が務まるか!」

と叫んだ医者がいた。

患者さんと共に生活し、創作や舞踏など自然療法を主にこの山荘を切り開いていったのは、院長と家族、看護師、患者本人達だったという。

1969年から閉館するまでの間、多数の彫刻やインドや仏教、キリスト教などに関連したような様々な芸術作品が作られ、一つの街を形成していたように思える。

それは、患者が社会復帰したときに、色々なものが形成されて社会になっている、と思えるようにだったのだろう。

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