一人暮らしのアパート(三重県) | コワイハナシ47

一人暮らしのアパート(三重県)

三重県 A・K 女 21歳 フリーター

これは私が昔体験した実際のお話です。あまり怖くないかもしれませんが、当事者の私は本当に怖かったので聞いて下さい。

当時私は19歳、大好きな彼氏がいました。彼氏とすぐにでも会えるようにと、実家を出て一人暮らしを始めました。一人暮らしをすれば、いつでも彼氏が呼べるし、誰かに縛られることもなく自由だと思っていたので、かなりウキウキしていました。

一人暮らしを始めてから三ヶ月ほどたった頃には、彼氏もよく泊まりに来るようになっていたので、半同棲状態だったんです。彼氏が泊まっている時は楽しいんですが、いない日はいつも以上に寂しく感じてしまいました。

その日は、彼氏が翌日仕事ということで泊まりに来れないといっていたので、私はお酒を飲んで、撮りためていたドラマを見ていました。

お酒も随分回ってきたので、そろそろ寝よう……とあまり覚えてないんですが、千鳥足状態でベッドへ入ったんです。お酒も入っていたのでそのまますぐに寝てしまったんだと思います。記憶がありません。いつもはそのまま朝まで寝るのですが、その時は違いました……。

「うぅ……」

自分でもわかるぐらい唸っていて、その声と体の違和感で目が覚めたんです。しかし、私の体は言うことをききません。手足を動かそうにも全く動かず、声をだそうにも声が出ないのです。

(金縛りにあっているの……?)

と頭のなかで考えるも、全く自由のきかない状況にかなりテンパってしまいました。

(たすけて!!)

一生懸命叫んでいるのに声が出ていないのがわかります。目をあけるのも怖くて、目は絶対にあけないようにしながら恐怖と戦いました。

時間にしてものの数分のことだったと思います。でも、私には何時間もその状態だったような感覚でした。

「疲れているのかも……」

と自分に言い聞かせてその日の出来事は誰にも話をしませんでした。

それから数日がたち、彼氏が泊まりに来る日になりました。久しぶりの泊まりに、料理も一生懸命作って彼氏を待っていました。

(キーーーーン)

なぜかいつもは気にならない耳鳴りも、この時ばかりは、頭に突き刺さるような痛みと音が走りました。

「イタッ……」

思わず声を出してしまったのですが、周りを見ても特に何か変わったわけでもなかったので、不思議に思いながらも彼氏を待っていると、少しして彼氏が訪ねてきました。

一緒に食事やお風呂も済ませて、テレビを見ながら待ったりしていると、彼氏は仕事で疲れたのか、いつの間に寝てしまっていました。

私ももう寝ようと、布団をかぶり直してそのまま眠りについたのです。

それからどのぐらい寝ていたのかはわかりません。ふと、体に違和感を感じたのです。

前回と同じような感じでかなり冷や汗が出てきました。

(まただ……)

そう思った瞬間、何かが私の上に乗っている感覚に襲われたんです。

直感的にヤバイ、と感じました。

隣には彼氏が寝ているので、助けを求めればいいのですが、全く声も出ないし手も動きません。何度動かそうとしても、強い力で押さえつけられている感じがして、一切動かないのです。

 すぐ隣に人がいるのにどうしていいのかわからずかなり焦りました。前回の時よりも明らかに力が強く、呼吸も苦しくなってきました。

(誰かたすけて)

何度も何度も声を出そうとするのですが、音にならないので彼氏にも聞こえません。

心臓もバクバクとすごい音がして、汗もダラダラと出てきました。

呼吸を整えようと必死になるほど呼吸が出来なくなってきて、このままではヤバイと覚悟した時でした。

「……………せ」

女の人の声が耳元で聞こえたのです。

何を言っているのかはわかりませんでした。でも確かに何かを言っていたんです。

「……い!  おい!」

彼氏の声で目が覚めました。

「大丈夫か?  汗がすごいぞ」

そう言われて自分の顔を見てみると、かなり汗だくになっていました。夢だったのかもしれない、と思い込んでいたのですが、ふと視界に入った私の手首には人の手のような跡が残っていたのです。

その日以降、そこの場所にいるのが怖くなり、すぐに引っ越しの手続きをしました。

彼氏にも事情を話しておいたのですが、後日なぜそうなったのかを噂で耳にしたそうです。

何でも私の住んでいた部屋には、以前女性が住んでいたそうです。その人は、大好きな恋人がいたそうですが、恋人に裏切られ、あの部屋で自ら命を絶ってしまったそうです。

不動産屋の人は「ワケあり物件」とは言っていなかったのですが、彼氏の友人やその近隣の人はその噂を知っていました。

実際にその現場を見た人はおらず、噂でしかないので本当のことはわかりません。

でも私が体験したあの二回はその女性が何かを訴えていたのかもしれません。二回目の日、耳鳴りがやけに気になったのは、彼氏が来るということで嫉妬とかしていたのでしょうか。

そう考えるとかわいそうな気持ちにもなりましたが、もうあんな恐怖は味わいたくありません。残っていた跡も一週間もすればキレイになっていたのですが、形として残っているのは本当に怖かったです。

現在住んでいる部屋では一切そういったことはないので、やはりあの部屋には何かあるんだと思っています。

今でもたまに見に行きますが、私が出て以降、誰も入居していないようです。

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