特殊な病室(群馬県) | コワイハナシ47

特殊な病室(群馬県)

これは別の総合病院で働く看護師から伺った話だ。そこには特殊な病室があるという。

その六人部屋に老人の患者を入院させると、決まって数日以内に騒ぎ出す。

「夜になると部屋に女がいるんだ!赤い服を着た、髪の長い、若わけえ女だ。左のほっぺたに黒子ほくろがある。ここは男部屋なんだぞ!追い出してくんな!」

ただし、医師や看護師、他の入院患者などには、その女の姿が見えない。なだめてそのままにしておくと、老人は重度の認知症を発症してしまう。過去に入院させた老人全員が同じことを言ったあと、言動に異状を来して精神科がある他の病院へ移ったり、特別養護老人ホームに入所したりしている。老人といっても、入院までは精神が安定していた人たちなのだ。

認知症による幻覚だろう、と医師は判断を下した。だが、別々の時期に入院した老人たちがいずれも〈赤い服を着て、髪が長く、若くて、左の頬に黒子がある女〉を見たと証言していることは不可解であり、看護師たちの間で問題になった。そこでその病室には若い患者しか入院させないようにしたところ、認知症を発症する患者は出なくなったそうだ。

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