赤城南面道路(群馬県) | コワイハナシ47

赤城南面道路(群馬県)

群馬県の赤城山南面には、国道、県道、広域農道など、通称〈赤城南面道路〉と呼ばれる道路が複数存在している。Eさんはその一本を深夜に車で走っていた。民家がなく、鬱然とした森の中に山道が続いている。彼が少し速度を上げると、いきなり暗闇から人影が飛び出してきた。真っ黒なロングワンピースを着ていて、髪の長い、太った女であった。

ただし、その女は走っていたのではなく、低空を飛んでいた。直立した姿勢で両足が三十センチほど地面から離れ、空中を移動していたのである。Eさんは咄嗟にブレーキを踏んだが、間に合わなかった。車と激突した女はボンネットへ横倒しになり、フロントガラスにもぶつかってきた。Eさんは視界を塞がれたが、女はすぐさま路面に転げ落ちてゆく。車が一瞬、斜めに傾いた。車輪が女の身体を轢き潰したのだ。

しまった!えらいことをしてしまった!Eさんは慌てて車を停め、道路に降り立った。けれども、女の姿はどこにも見当たらない。その代わり、車から七、八メートル後方の路上に、一羽の大きな鴉が転がっていた。鴉は翼を何度かばたばたと震わせ、白黒の糞尿を垂れ流すと、それきり動かなくなったという。

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