ひとこと その三(大阪府) | コワイハナシ47

ひとこと その三(大阪府)

大阪の会社に勤めるⅠさんが、ある朝こんな体験をした。

その日も、いつもの電車に乗ろうと駅の階段を駆け上がろうとした。

ところが今日は人の流れが悪いのか、ひどく混んでいてなかなか階段を上れない。その原因が途中でわかった。

サラリーマン風の男性が、階段を上り切ったところに立っている。階段を上る人たちがその男性を避けてプラットホームに出て行くので、そこで一いつ旦たん人の流れが止まるのだ。

(何やアイツ、迷惑な奴ちゃなあ)

そう思いながらⅠさんが上がって行くと、サラリーマン風の男と視線が合った。ニヤッと笑った瞬間、その男の声が聞こえた。周りは雑踏。普通なら声など絶対に聞こえるはずがない。

ところがこの男の声は聞こえた。

「ええもん見せたろか」

同時に男が倒れるように消えた。

ドム!

Ⅰさんの耳には「ええもん見せたろか」がこびりついて、長い間静かになるのが怖かったそうだ。

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