幽霊屋敷の写真(奈良県生駒市) | コワイハナシ47

幽霊屋敷の写真(奈良県生駒市)

知り合いの女性から電話があった。

「変な写真、撮ったんです。見てもらえますか?」

ある日曜日のこと。

奈良県生駒市に住む彼女は、ちょっとした好奇心から近所にある〝幽霊屋敷跡〟の写真を撮った。ここは『新耳袋』第一夜で、幽霊屋敷として紹介した廃屋があった場所だ。

廃屋も今は、住宅街の中で雑草だらけの更地になっている。

この土地にまつわる因縁話は、母親からも聞かされていた。

撮ったのは三枚。いずれもその草地を昼間、道路から撮ったものだ。

その日のうちにフィルムを撮りきり、カメラ屋に持ち込んだ。

現像が出来た。何か写っていないかちょっと期待して見たが、別段怪しいものは何も写っていない。ただの草地の写真。

持って帰って、部屋で過ごしていると弟が帰ってきた。

弟には何か見えないだろうかと思い、三十六枚の写真全部を渡した。写真を一枚一枚めくっているうちに、

「なに、この匂い!」

と同時に草の匂いが部屋に立ち込めた。

(どうして草の匂い?……)と、彼女が弟を見ると例の〝幽霊屋敷跡〟の草地の写真を持っている。まさかここから?と思って写真に鼻を近づけると、確かにこの写真から雑草をしぼったような強烈な匂いがする。それも例の場所で撮った三枚だけから、その匂いがした。

「その写真、持ってきて」と彼女に頼んだが、会えたのはその電話があってから二週間が過ぎた頃だった。

ネガとプリントした写真すべてを持ってきてくれた。

その写真を一枚一枚見ているうちに、ぷんと草の匂いがする。

見ると、金網越しにみえる草地の写真。

ただそれだけの三枚の写真だった。

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