座布団(京都府) | コワイハナシ47

座布団(京都府)

京都府内のある中学校での話だ。

理科室に幽霊が出るという噂を聞いた卒業生のEさんたち三人が、真夜中、校舎に入り込んだ。

見つかると困るので懐中電灯は使わずに理科室へと向かう。

理科室の扉はカギが締っていて中へは入れなかった。懐中電灯で中を照らしてみたが怪しいものは別にない。でも、せっかく来たんだから、と、暗い廊下や階段を探検している時だった。

たふ……たふ、と、妙な音がする。

(はて、何かいな)と、その音のするあたりへ行ってみると階段があった。

たふ……たふ……たふ……。

音は階段の上からする。

「行ってみようか」とEさんたちは、その階段をゆっくりと上っていった。

見ると、一階と二階の踊り場に白いものが動いている。それが動くたびに、たふ……たふ、と柔らかい音がするのだ。

それは四角く光っているように見えるほど白い分厚いものだった。暗闇だというのにはっきり見える。それが縦に立って、一回転して階段を一段上がり、また、くるりと立ち上がると前に倒れるように一回転して一段上がる。その時、たふ、たふという音をたてる。

「座布団……?そんなあほな」

三人は顔を見合わせた。あまりのことに懐中電灯を当ててみる。

その真ん中に凹みがあってその中央に縫い目があり、四隅には白い房もある。座布団以外の何にも見えない。

たふ……たふ……と、音をたてながら階段を上がって行く。

そして、あと数段で上り切る、というところで、ふっとそれは、跡形もなく消えてしまった。

あまりにおかしな体験なので、私たちが取材するまでEさんは誰にも話したことはなかったという。

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