かっぱVS妖怪大戦争(千葉県銚子市) | コワイハナシ47

かっぱVS妖怪大戦争(千葉県銚子市)

二〇一七年夏、「山口敏太郎の妖怪博物館」はお台場から撤退し、銚子市にあるカッパハウス二階に移転した。理由は簡単である。お台場のテナント料が高く、銚子はテナント料が安いからだ。

「山口さんの妖怪博物館が移転してきたので、休眠中だった『カッパハウス』も蘇りましたよ」

筆者の友人であり、カッパハウスを運営するIT企業の経営者・Tさんはニコニコと笑った。かつて世界で最も多いカッパグッズを展示していることで、カッパハウスは人気スポットになっていたが、運営者の高齢化により十年以上も閉鎖されていたのだ。それを民間企業として運営を引き受けたのがTさんの会社であった。

「でも、オープンの準備期間中に妙なことが一つだけあったんです」

「妙なことって?」

筆者は眉をひそめてTさんに質問した。

再オープンを前に、Tさんの会社の社員が長らく閉鎖されていたカッパハウスに入り、カッパグッズを整理していた。その時、不思議なことがあったという。

「これは一体どういうことだ?」

開店準備中のカッパハウスに入った社員は絶句した。棚に並べていた河童の小さな像が床に落ちてバラバラになっていたのだ。

「こんなところまで飛ぶはずがないのに」

バラバラになった河童の像は、棚から大きく離れてフロアの真ん中でバラバラになっていた。昨日帰った時は、ちゃんと棚に並んでいた。

「たとえ地震が起きても、こんなに遠くまで飛ぶわけがないのに……」

数名の社員以外はこの建物には入れないはずである。ましてや昨日は地震が起きていない。社員は得体の知れない不安に襲われた。

「不思議ですよね」

Tさんはうれしそうに話をした。筆者も思わずニヤリと笑いながらこう答えた。

「二階に妖怪が引っ越してきたので、一階の河童たちと戦争になったんでしょうかねえ」

するとTさんは思わず吹き出した。「これがほんとの妖怪大戦争ですね」

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