屋根を歩く人(千葉県) | コワイハナシ47

屋根を歩く人(千葉県)

山口敏太郎事務所では、妖怪や幽霊、宇宙人、都市伝説など不思議な現象を扱っているためだろうか。不可解な現象が頻繁ひんぱんに起きる。言い換えれば、事務所の日常生活に不思議な現象が時々紛れ込むといった感じであろうか。これは二〇十六年にあった出来事だが、筆者と社員がはっきりと確認している。その日は小雨の降る薄暗い昼間だったと記憶している。社員のSと筆者は事務作業に励んでいた。沈黙が数時間続いた時だった。

ミシリ、ミシリ、妙な音が聞こえた。

(んっ!?)

思わず筆者は周囲を見渡した。Sはひたすらパソコンのキーボードを叩いている。経理担当の社員は別の建物にいる。かみさんは外回りの営業だ。もう一人の社員は、今日は休みを取っている。

(誰かが歩いている)

編集部は二階にあり、一階は書庫になっている。どこから足音が聞こえるのであろうか。どうも屋根の方から聞こえる。ミシリ、ミシリ、ミシリ───また聞こえた。やはり屋根の上から足音が聞こえる。猫が屋根の上を歩いているのか? いや、明らかに二足歩行が奏でる音だ。ものすごく体重が重いような感じがする。一歩一歩がずしりと重いのだ。

「屋根の上を誰かが歩いているのか?」

筆者は思わずつぶやいた。するとSがこんな返事をした。

「ええ、よくあります」

なんと、時々屋根の上を人が歩くことがあると言うのだ。筆者は事務所にいないことが多く、屋根の上の足音を聞いたのはこの日が初めてであったが、Sにとっては格別珍しいことではないようだ。

「一人でいる時とか、夜残業しているときに足音が聞こえたら怖くないの?」

すると、Sはすました顔をしてこう言った。

「何かをされる事は無いので、怖くありません」

確かにそれはそうだが、明らかに聞こえてくる足音が気になって仕方がない。

ミシリ、ミシリ、ミシリ

また、足音が聞こえた。筆者はステッキを使って天井の足音が聞こえたあたりをつついてみた。何の反応もない。数日後、知り合いの霊能者にお祓いをしてもらった。すると、たびたび聞こえていた足音は聞こえなくなった。事務所の屋根の上は、一時期霊道にでもなっていたのであろうか?

ミシリ、ミシリ、ミシリ、屋根から足音が聞こえたら要注意だ。

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