数珠つなぎ(千葉県船橋市) | コワイハナシ47

数珠つなぎ(千葉県船橋市)

房総の郊外で祖母と一緒に暮らしていたRさんは、その後祖母の家を出て独立して、現在は船橋市に住んでいる。

「今日は天気がいいから、川まで行ってみるか」

祖母と一緒に幼い頃から散歩を日課にしていた彼女は、大人になってからもコースを変えつつ、毎日のように散歩をした。

「この川沿いのコースが好きなんだよね」

Rさんは、船橋市内の某川沿いの道を毎日のように歩いた。川を見ていると心が晴れるような気がした。川には季節ごとに表情があった。

(春には春の顔、夏には夏の顔、いろんな顔が川にはある)

彼女は仕事が終わった後、川べりをひとりで歩いて季節の移り変わりを満喫した。

ある日の夕方、いつものように川沿いの道を歩いているとザブング、ザブング、ザブングと、聞き慣れない水音が聞こえてきた。まるで、強引に流れに逆らいながら水を掻き分けて何者かが進んでいくような音だ。思わず川の水面を見た彼女は信じられないものを目視してしまった。

(あの人は何をやっているんだろう?)

愕然として歩みを止めた彼女の目には、ざんばら髪で長く伸びた爪を水かきのように使い、川の水を掻き分けながら進む女がそこにいた。

(何をやっているんだ? どこに行きたいの?)

女はものすごい勢いで水の流れに逆らいながら、川の中央部分で水を掻き分けながら、ひたすら前へ前へと進んでいく。

(あの女の人、この世の人じゃない!)

Rさんがそう気づいたとき、女は軽快に上空に向かって、ひょいと飛び跳ねた。

「ええっ!?」

女は空中から伸びたロープのようなものにぶら下がった。見上げてみると、そのロープのようなものには数名のヒトガタをしたものがぶら下がっている。

(幽霊の数珠つなぎだ!)

そう思いながら見つめていると、数名の幽霊がぶら下がったロープのようなものはするすると上空に登っていった。そして、瞬く間に雲の彼方に消えていった。

「さようならお化けさん、天国に行けたね」

Rさんは一言そうつぶやいた。

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