半裸の美女幽霊(千葉県) | コワイハナシ47

半裸の美女幽霊(千葉県)

ライターの前世・滝沢馬琴はバイトが終わったあと、よくバイクで心霊スポットを訪問する。原稿のネタを探すためでもあるが、半分は趣味である。

「でも一箇所だけ、残念な心霊スポットもありましたよ」

馬琴は照れ笑いを浮かべながら、こんな話をしてくれた。

中高年の千葉県民の間では有名な話である。千葉県野田市と埼玉県を結ぶ交通の要所に金野井大橋という橋がある。江戸川を横断するこの橋は心霊スポットとして知られていた。

今から四十年ほど前、この橋で下着姿の女性の幽霊が目撃されている。橋を通りがかった車の運転手が、下着姿で深刻な雰囲気を漂わせて水面を見つめる女性を見かけた。

「危ないな、川に飛び込むのでは……」

車を停めた運転手は、橋の下や土手を捜索したが、女性の姿はかき消すように消えていた。通報を受けた警察も付近を捜索したが、二本の卒塔婆とブラジャーしか発見できなかった。当時、この金野井大橋の半裸の幽霊は有名になり、見物人が大勢押しかけ、屋台が出るほどであった。また、実は全裸だという説もあった。馬琴はアルバイトが終わった後、この場所に駆けつけた。大橋を歩き回ってみたが、あまり何かを感じることはなかった。だが、土手に降りた時、明らかに空気が変わった。ズンと体が重くなり、両肩を上から抑えられたような重力を感じた。

「いっ、いやな場所だな」

さらに土手の調査を進めようとしたが、足が動かない。足が泥にとられたように動かないのだ。

(この場所には長くいてはいけない)

馬琴はそう思い、必死の思いで写真を数枚撮影すると、その場を後にした。

後日、撮影した写真を見て馬琴はしばし言葉を失った。

「これはいったい……」

写真には空間そのものが歪み、赤く燃え上がる火災現場のようになった土手が写り込んでいた。太平洋戦争当時、金野井大橋の付近は空襲の業火に焼かれたことがあるのだ。

シェアする

フォローする