花嫁の輪(千葉県) | コワイハナシ47

花嫁の輪(千葉県)

これは、現在は青森に在住しているAさんが、以前千葉に住んでいた頃に会社の取引先のBさんから聞いた話だ。

「こんな話をしても、誰も信じてくれないんだけど」

Bさんは困ったような表情を浮かべながら、Aさんに話してくれたという。

「私は信じるわ」

霊感の強いAさんの力強い言葉に、Bさんは中学時代に体験した不思議な話を伝えてくれた。今から三十年ほど前、昭和末期の話だ。Bさんは千葉県四街道市に住んでいた。家族と一緒にごく普通の一戸建てに住んでいたのだが、その家で奇妙なことがあった。当時中学三年生であった彼女は、自分の部屋でこたつに入りながら猛勉強をしていた。

「受験まであまり時間がないわ。頑張らなきゃ」

眠い目をこすりながら必死に勉強していた。しかしながら、連日の受験勉強により蓄積した疲労はピークを迎え、こたつに入ったまま、うたた寝をしてしまった。何時間経っただろうか。一瞬妙な空気を感じてBさんは目を覚ました。

「んっ!?」

自分の周りにたくさんの人がいた。五人から六人が立っている。狭い勉強部屋に、ぎっしりと白無垢を着て角隠しをかぶった女性たちが、無表情で悠然と立っているのだ。

(えっ、何なの? この人たち!?)

驚いている彼女をよそに、白無垢の花嫁たちはゆっくりと踊り始めた。歌声や音楽は全く鳴らない。無音の中、角隠しをかぶった若い女性たちが輪になって、しなり、しなりと踊り始めた。

(美しいなぁ)

見とれる彼女をとり囲むように、花嫁たちは踊り続けた。そして何周か回るとそのまま薄くなって、すーっと消えてしまった。Bさんが幽霊を見たのは後にも先にもその一回だけである。

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