キツネ目の女(千葉県船橋市) | コワイハナシ47

キツネ目の女(千葉県船橋市)

霊感の強いNさんは、以前船橋市内の某所に住んでいた。その地域は古い町並みが残るエリアであり、歴史のある神社もいくつか鎮座していた。ある日、近所にあった某神社の近くを通りかかった。

(あの神社、不気味なんだよね)

なんとなくNさんはその神社が好きではなかった。一見、ごく普通の神社ではあるが、彼女はそこに異様な気配を感じていたのだ。ある日、用事に向かうためにその神社の前を歩いていた。すると前から歩いてきた女性と目があった。古臭い昭和風の服装を身につけたその女性は、キツネのような細い目をしていた。年齢がいくつなのか全くわからない。

(嫌な感じの女性だな。あまり関わりたくないなぁ)

そう思いながらNさんがすれ違おうとすると、その目の細い女は突然罵声を浴びせかけてきた。

「×□△△○△!」

突然の出来事で何を言われたのか覚えていないが、罵詈雑言を浴びせられ、面食らったNさんもすかさず反論した。

「ちょっと? なんなの突然!」

そう言いながらも、頭の中にある言葉が浮かんだ。

(この人に絡んではいけない。第一、彼女は人ではない。この女と絡んではいけない)

という直感がNさんの頭を横切ったのだ。その瞬間、恐怖でNさんは腰が抜けたようになり、その場にへたりこんでしまった。へたり込んだ姿を見てキツネ目の女は高笑いをした。

「ひゃひゃひゃひゃ!」

Nさんはへたりこんだ反動で思わず下を向いてしまったが、女の高笑いを聞いて首を上げた。時間にしてわずか一秒程度だったが……。キツネ目の女はそこにいなかった。周囲には昼間とあって多くの人がいたが、Nさんとキツネ目の女の口論など誰も聞いていないようであった。

「……えっ?」

いつもと同じ、ごく普通の日常がそこにあった。

「私、あの瞬間、違う時空に行っていたのかもしれません」

Nさんはそうつぶやいた。

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