怪異を聴くと怪異を召喚する(千葉県) | コワイハナシ47

怪異を聴くと怪異を召喚する(千葉県)

造形師のYさんはかなりのオカルトマニアである。筆者が出演している専門チャンネル「ファミリー劇場」で放送されている「緊急検証シリーズ」も毎回見てくれているという。

十八年前、当時は茨城県の龍ヶ崎市に住んでいたYさんは、千葉県の松戸市の企業に勤めており、毎日車で通っていた。

「お疲れ様」

そう言って同僚たちに別れを告げて車に乗り込むと、いつものカセットテープをカーステレオに差し込んだ。帰りのドライブは、稲川淳二の鉄板の怪談で楽しむのが日課であった。特に好きなのが大ネタの「生き人形」であった。

(この話、好きなんだよね)

何度も聞いてストーリーもわかっているのだが、稲川淳二の「生き人形」は繰り返し聞いてもそのたびに背筋がぞっとなる。カセットテープに吹き込まれた話がクライマックスにさしかかり、車はちょうど千葉県と茨城県の県境に差し掛かっていた。話が生き人形の顔が変わったと言うくだりになった時、不可解なことが発生した。

ガサッ。

なにか重い荷物を置いたような音がした。

(んっ、なんだ?)

そう思った瞬間、車内に爆発音がこだました。バァーン!

(車内で爆発が起こったのか!?)

慌てて車を停めて車内を点検したが、何も爆発するようなものはなかった。特に、車内に異常は無い。それ以来、Yさんは帰りの車で生き人形を聞くことをやめた。

稲川淳二の「生き人形」を収録したカセットテープ。このカセットテープは曰く付きの商品であり、聞いた者はかなり高い確率で怪異に見舞われると言われている。

怪異を聞けば怪異を招くのだ。

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