担がれた友人(宮城県) | コワイハナシ47

担がれた友人(宮城県)

中学校の教師である島田さんは今から二十年ほど前、大学生のころに取った行動を今でも悔やんでいる。

当時、仲の良い友人といつも三人でつるんでは遊んでいた。特にそのころ、夜中に心霊スポットへ行くことにはまっていた。

その夜も三人は、島田さんの運転する車でとある心霊スポットを目指していた。

そこは地元では最恐と言われている八木山橋というところで、自殺の名所としても全国的に有名だ。

橋の下は断崖絶壁の渓谷になっており、当時は交通量も少なかったことから自殺者が多かった。これまでここから飛び降りた人数は百名を超えるといわれる。

以前はつり橋だったが、現在は改修工事により自殺防止の欄干が設置された。有刺鉄線とねずみ返しまで設けられている。

現地に到着すると真夜中ということもありひと気はまったくなかった。聞こえてくるのは虫の鳴き声くらいだった。

三人は橋の手前に車を停めると、持ってきたビデオカメラを設置し定点観測をすることにした。カメラをセッティングすると車へ戻り、持ってきた菓子やジュースを食べたり飲んだりしながら時間をつぶす。

最初こそ心霊スポットの話題で盛り上がっていたが、時間が経つにつれまったく関係のない話題となり、ゲラゲラ笑って過ごしていた。

一時間ほどして帰ることにした。

現場にいても特に何も起こらなかったし、設置していたカメラを回収すると帰ってそれを鑑賞しながら酒を飲もうということになり、島田さんのアパートへ向かう。

「何か撮れてるといいな」

さっそくセットし鑑賞会がはじまったが、ただ暗い橋が映っているだけで変化はない。三人はしばらくの間暗い橋の映像を見ていたのだが、途中で奥の方から何かが近づいてくることに気がついた。かなりスピードは遅いがそれは白い服を着た人間のように見える。ひとりではなく、何人もいるようだった。

「こんな人たち、いた?」

「いや、見てない」

その白い服を着た人たちは橋の奥にいるのだが、あまりにもゆっくりなので何をしているのかよくわからなかった。

そのうちに友人のカズキさんが「酒が足りないからコンビニで追加してくるわ」と、席を立った。

「え?続き、見ないの?」

「近いしすぐ戻ってくる。止めておいて」

カズキさんが出て行ってから、三十分ほどが経った。

「カズキ遅くないか?」

「確かに。電話でもしてるんじゃない?」

そう言いながら、ふとビデオの再生ボタンを押した。画面の中にいる白い服を着た大勢の人たちが、橋の奥からゆっくりと近づいて来た。

「なんだこれ」

その大勢の人たちが、誰かを担いでいるように見える。

それを見ていた友人が、

「なあ島田。あれ……カズキじゃないか?」

そうつぶやいた。見ると、担がれているのは先ほど出ていったカズキさんの姿に見えた。嫌な予感がした。ふたりはすぐさま立ち上がり部屋を出るとコンビニへ続く道を急ぐ。道の角に救急車が停まっていて、ひとだかりができていた。

「交通事故ですって」

「若い男の子みたいよ」

野次馬の声が聞こえてくる。ふたりはその野次馬たちをかきわけ前へ出ると、血まみれになったカズキさんが救急車に担ぎ込まれるところだった。

カズキさんは即死だった。

亡くなった当初は友人の死に心を痛めたふたりだったが、あのとき撮影したビデオのことが気になり、とある番組にそのテープを送り検証を求めた。しかしそれはすぐに送り返されてきた。

「これは本当にまずいやつです。オンエアできませんからすぐにお祓いして処分されたほうがいいですよ」

そう言われお祓いに行ったそうだ。

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