四十九日(大阪府豊中市) | コワイハナシ47

四十九日(大阪府豊中市)

豊中市にある旧家での話。

この日、おばあちゃんの四十九日の法要に親族一同が集まった。

夜、仏間でおばあちゃんの思い出話になった。

戦前、戦中、戦後を通じてこの本家と家族を守り、子供たち全員を学校にあげてくれたおばあちゃんを偲しのんだ。

みんなが静かになった時、カタカタという音が聞こえてきた。

何の音かと思っていると親族の誰かが、「あれ見て」と仏壇を指さした。

なんとおばあちゃんの遺影がカタカタと動いている。

遺影がひとりで動き出すなんて、とみんな驚いた。

と、動きが止まった。

……その時、写真の中のおばあちゃんの笑顔から黒くて丸い球がほわっと浮き出た。

遺影から出てきたその球は、遺影よりもずっと大きかった。

その球はゆっくりと親族一同を確かめるかのように、仏間のまん中を横切って縁側から庭に出た。

球は庭のまん中まで出ると、ぴたっと動かなくなった。

黒いだけの球なのに、まるで家や庭をしみじみと眺めているようにも、縁側に一同が出揃うのを待っていたかのようにも見えた。

しばらくして、黒い球は空へ昇って夜に溶けこむように消えた。

おばあちゃんの四十九日が終わったね、と誰かが言った。

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