近づくボソボソ声(栃木県 宇都宮の森林公園) | コワイハナシ47

近づくボソボソ声(栃木県 宇都宮の森林公園)

翠(すい)さんが二十歳になったばかりの頃。

同じ職場の男性とお付き合いしていたのだが、お互いに実家住まいで遅い時間に仕事を終える事も多かった為、家族に気を使って終業後はよく翠さんの車をどこかに停めて、車内でお喋りをしていたそうだ。

ある日も宇都宮市内にある森林公園の道路沿いの駐車場に車を停め、いつものように彼氏とお喋りをしていたときの事……。

その日は珍しく、深夜にもかかわらず公園に照明が照らされ沢山の車と人が見えた。

どうやら何かのイベントの準備をしているようだった。

翠さんは彼氏がいるとはいえ、真っ暗な中で二人きりで過ごすよりは怖くなくて良いかな、と考えあまり気にしていなかったそうだが、お喋りをしていると奇妙な事に気付いた。

翠さんたちがいるのは道路沿いの駐車場で、人々がイベントの準備で動き回ってるのは道路の向こう側。

車の周りには人の気配などないのに、男性と思しき低い声が聞こえてきた。

ボソボソ…… ボソボソ…… ボソボソボソ……

ボソボソ……ボソ……  ボソ……ボソボソ……

その声はだんだん大きくなるも、依然何と言っているのやら、分からない。

気味悪い事この上ないのだが、この時点では酔っ払いか悪童の声だと思い、彼氏に言う事で更に何か変な悪さでもされたら、と考えて彼氏に告げるなどのアクションをとらないという判断をした。

確かにこんな夜遅くにコソコソとした悪戯をしてくるような輩に、こちらが気付いた事を悟られたら次にどんなリアクションをしてくるのかが怖いというのは分かる気がする。

しかしそのボソボソ声はどんどん大きくなり仕舞には「もうこれは車内にいるでしょ」というくらいの音量となり、居ても立っても居られなくなった。

窓も開けてないのに、こんな声が車内に聞こえてくるのはおかしすぎる……。

心底異常さと恐怖を感じた翠さんは彼氏にその事を切り出した。

「ねえ……この声、なんなんだろ……?」

「……え……何の、話……?」

……その声が聞こえていたのは、翠さんだけであった。

余計に怖くなる翠さん。

そしてその反応もまた異常だったのであろう、彼氏も流石に怖くなり、すぐに車を出して比較的近い翠さんの家へ向かい、落ち着いた。

その後、そのような怪異に遭うような事はないそうだ。

この時に準備していたというイベントとの因果関係を調べてみたかったが、もうだいぶ前の事で、季節くらいしか思い出せないとの事で、断念した。

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