見せしめ(栃木県宇都宮市大谷町の廃墟) | コワイハナシ47

見せしめ(栃木県宇都宮市大谷町の廃墟)

日光に住むSさんが昔、免許を取ったばかりの頃。大谷の「最古の観音様」があるお寺から近いところに地元では割と有名な廃墟があるのだが、屋上の乾かない水たまりに自分ではない姿が映り込むなどの噂があり、Sさんと友人ら三人でそれを確かめに車で赴いた。

廃墟へ着いて間もなくして、手癖の悪い友人Aが車のライトに照らされた廃墟へ向けて空缶を投げてしまった。すると建物の上の階のガラスががらっと開き見知らぬお爺さんがぬっと姿を見せ、とても驚いたという。

深夜の廃墟という事もあり、怒られるという意識よりも驚かされた事に腹が立ち、若かった三人はそのお爺さんに何か言ってやろうと廃墟へ入り、上階まで駆けていった。

しかしこの時何故か、空き缶を投げた友人Aには窓から顔を出したお爺さんが見えてなかったそうで、訳が分からずキョトンとしていたという……。

上の階へ上がり、お爺さんがいた筈の部屋へ行き着いたものの、誰もいない。そして更に異様な事に気が付いた。さっきはガラス窓を開ける姿を見たと思ったのに、実際にはガラス窓は割られていて跡形もなく、開けられる窓ガラスなどないのだ。

他の部屋なども見て回ったが、全てそうだった。そしてそのお爺さんはやはり見つからない……足音もなく、しんと静まり返っている。

そもそもが老人一人で来るような時間や場所ではない……。

気味が悪くなってきたので引き返す事になり、建物を出て下り坂に差し掛かった時の事。そこには焼却炉があり、建物に入る時はその炉の扉が閉まっていたのを覚えていた筈が何故か開いており、その中には薄水色が光るような、ボヤけたような感じで小さな子供が体育座りをし、狭そうに首を曲げSさんを睨んでいた……。

Sさんは煙草を口に運んだ姿のまま固まってしまい、すぐ横にいた友人Rに肘で突いて合図をした。しかし既に友人Rにも見えているようで、二人で動けないばかりか、心臓ごと止まってしまいそうだったという。

そこへ、先ほど空缶を投げたAがひょいひょいと追い付いたところで「こいつが空缶を投げつけたのが悪いんだ……この子の前で制裁を食らわそう」と考え、友人Aに大外刈りをして転倒させた後ですぐに車に乗り込み、一目散に帰ったという。

因みに窓から顔を出したお爺さんが見えてなかったという友人Aも、焼却炉の男の子だけははっきりと見えていたそうだ……。

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