ペコちゃんハウスで収録された謎の声(鹿児島市吉野町) | コワイハナシ47

ペコちゃんハウスで収録された謎の声(鹿児島市吉野町)

鹿児島市に心霊スポットとして有名な、「ペコちゃんハウス」という廃屋がある。

住宅地を通り抜けて細い山道を進んで行くと、別荘だったと思われる廃屋が点々と建ち並んでおり、その最奥にある半壊した廃屋がペコちゃんハウスだ。

一階部分は潰れてしまっており、二階の窓から中を覗けるようになっているのだが、内部には梁が迷路のように張り巡って、歩き回るのは困難に思える。

ペコちゃんハウスの名前の由来は、この家で以前ガス爆発があり、死んだ一家が全員ペコちゃんのように舌を出していたからだとか、「ぺちゃんこハウス」が訛って、ペコちゃんハウスという名前で広まったというものがある。

真相はわからないが、それらは心霊スポットには付き物の、根拠のない噂話と考えていいだろう。

二〇一七年五月、私は心霊探索メンバー四人でペコちゃんハウスを目指した。

わかりにくい場所にあるため、付近をぐるぐると迷走しながらも、ようやく目的の道を見つけることができた。

住宅街を抜けると、廃墟と思しき建物が我々を出迎えるかのように怪しくそびえ立っており、さらに突き進むと、丁度行き止まりになったところに半壊した家屋が見える。それがペコちゃんハウスだった。

早速カメラを準備すると、何枚か写真を撮り、その後、ビデオカメラをまわして動画撮影スタートだ。

内部へは入らず、地面へと着地した二階の窓部分から中を覗くような形での撮影となる。ただ梁があるばかりで、これと言って面白いものは無いのだが、せっかく来たからには記録に残しておきたいし、もしかしたら怪奇現象を撮影できる可能性もある。現地では何事もなくても、後で動画を確認したら不可解なものが写り込んでいたというのは良くあることだ。

まずはライトを点けた状態で二分ほど撮影し、次に、ナイトショットモードという赤外線撮影機能を使い、ライトを消した状態での撮影を行う。肉眼では暗くて中の様子はわからないが、ビデオカメラのモニターにはバッチリと映っている。

この時、私ともう一人が窓から撮影し、残る二人は車の近くで周辺の廃墟に向かってカメラを向けていた。

「濱さーん! なんか声聞こえてますよ!」

周辺の廃墟を撮影していた二人が、急に声を上げた。

「マジで!?」

「どっから聞こえたと?」

「この廃墟の中から、誰かが話しかけていますよ!」

「嘘やろ……」

声が聞こえてきた廃墟というのは、斜面に立っているために一階が駐車場で、階段を上ったところに家があるという作りなのだが、その階段はジャングルのように藪やぶに囲まれており、その先がどうなっているのか全く分からないような状態だ。

少し離れた高台からは、その階段の上に建物があることを確認できるのだが、建物自体も藪で覆われており、とてもじゃないが人がいる気配はない。

「何て言いよったと?」

「なんて言ってるかはわからないんですけど、こっちに向かって囁きかけてくる感じでしたよ」

「人の可能性は低いよね」

住宅街までは少し距離があるし、この廃墟に人がいるということはまずないだろう。だとしたら幽霊の声?

「映像を確認しよう!」

そう言って、先ほど撮影した映像を確認するのだが、カメラから直接確認しても音が小さすぎてよくわからない。現地での確認を諦めた我々は、もしかしたらまた声が聞こえるかもしれないと、付近を歩きながら二十分ほどカメラをまわし続けたのだが、声が聞こえてくることはなかった。

翌日、声を撮影したというメンバーから映像をもらい、パソコンにヘッドホンを繋いで確認作業に入ったのだが、たしかに声のようなものは入っていた。

「うん……うん……◇×○▽?@×◇×○▽?@×……」

最初は頷いているように聞こえるのだが、後半はボソボソと小さな声で、早口になるので何と言っているのかはわからない。

あの階段上の廃墟には、人がいなくなった後、人ならざるものが住むようになっているのかもしれない。

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