踏切(近畿地方) | コワイハナシ47

踏切(近畿地方)

関西にある私鉄のK駅。

線路は、駅から真っ直ぐ延びて、そのすぐ先で三本の踏切を越える。

どれも直線上にあるので見通しのいい踏切だ。ところがその中のひとつの踏切でだけ、人身事故が多発する。

ある人が、その踏切近くに住んでいる。

こんなところに住んでいると年に、二、三度奇妙な出来事と出合うのだと言う。

例えばと言ってこんな話を聞かせてくれた。

真夜中の二時頃、警笛を鳴らして駅を出た電車が速度を上げて近づいてくる。と、踏切にさしかかるかと思った時、キキキーッという急ブレーキに遅れてドンというにぶい音。

うわっ事故だ!と思ってあわてて窓の外を見た。

電車がない。

(ない?)

警報機の音もない。暗い静かな踏切があるだけだ。

あまりの事故の多発に、妙な噂もたちはじめたので、町内会がその踏切脇にお地蔵さんを建てた。

以来、事故も、真夜中の電車の音もしなくなったという。

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