入ってはならぬ幻の村(茨城県高萩市) | コワイハナシ47

入ってはならぬ幻の村(茨城県高萩市)

僕の知人にSさんという高萩市に住む六十代の女性がいます。

そのSさんの話です。Sさんの息子さんや娘さんがゴルフをされているそうで、ある日、家族揃って栃木県か県内の大子町だかのゴルフ場へと行くことになりました。Sさんはゴルフをしませんが、ドライブ気分を味わえるだけで満足なのだそうです。息子さんの運転する車で、一家は高萩市の市街地から西へと向かいました。

さて、その道すがら、近道をしようとして道を間違えたのか、知らない道をわざと選んだのか定かでありませんが、車は高萩市の山間部の細い道を走っていました。

しばらく進むと、道端にオブジェらしきもの(何かが積み重なったようなもの、と聞いた気がします)が並んでいました。

Sさんは不審に思いましたが、車はそのまま進みました。 さらに行くと、民家が見えたのですが、「やっぱり戻ろう」ということになり、息子さんは車を方向転換しました。

来た道を戻っていると、地元の人らしき人に声をかけられました。

「あんたら、そっちに行ってきたの?」

そう尋ねられたので、ありのままに答えました。

しかしその人は、神妙な趣でこう言いました。

「そっちはやばいんだよ。もうあんなところ、いっちゃあなんねえぞ。早く帰りな」

わけのわからないまま、Sさん一家はその場をあとにしました。

僕はこの話を聞いたあと、何日かに分けて車やバイクで高萩市の山間部を探索したのですが、未だにこの気味の悪い場所にたどり着けていません。

Sさんは運転免許がなく、しかも方向音痴なので、もしかしたら高萩市ではなく常陸太田市か大子町の山間部なのでは、と一時は勘ぐりました。しかし家族のみんなが一緒だったのだから、「この前行った高萩の山奥、気味の悪いところだったよね」くらいの会話はあったと思うのですよ……。

今は疎遠になってしまって、この知人に会えずじまいですが……。

入ってはならぬ村は、茨城にもあるようだ。

探してたどり着くのもいいが、見つけられないほうが幸せなのかもしれない……。

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